スーパー耐久シリーズ2024
第2戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース
STEL 専有走行
４月にスポーツランドSUGOで行われた第１戦では、ライバルたちのスピードの前に５位という結果に終わったPorsche Team EBI。そんな悔しさを晴らすべく臨んだ第２戦の舞台は、シーズン最長の戦いであり、Porsche Team EBI にとってはこれまで何度もトップ争いを展開してきたシリーズのハイライト、NAPAC 富士SUPERTEC 24時間レースだ。そんな一戦に向け、北園将太／久保凜太郎／山野直也／岩澤優吾という４人のドライバーたちに加え、チームは頼もしい助っ人を招聘した。ポルシェ遣いとしてこれまで数多くのレースに参戦し、ポルシェ カレラカップ ジャパンをともに戦った経験もある近藤翼だ。その安定感とスピードは、24 時間レースを戦い抜くにふさわしい存在でもある。そんな近藤を加えたチームは、５月23日（木）の２回の専有走行から週末に向けた作業を進めた。午前９時50分から行われた午前のセッションでは、山野から走行を開始。北園、そしてケイマンでの走行は初めてとなった近藤がドライブ。午後２時50分からのセッションでは山野、そして岩澤が多くのラップをこなし、最後は北園がドライブした。セットアップは進んでいるものの、やはり今回も国産GT4 車両が非常に速い状況だった。今回のレースでは、午後７時から夜間走行も１時間行われた。ここでは久保からドライブを開始し、北園をのぞく３人がドライブ。Porsche Team EBI は着実にステップを踏みながら初日を終えることになった。
公式予選
走行２日目となった５月24日（金）は、午前に全車そろっての写真撮影が行われた後、午後０時から公式予選が行われた。24時間レースであることから予選順位はそこまで重要なものではないが、まずはＡドライバー予選で北園が１分49秒800を記録するも、順位は９番手。Ｂドライバー予選では久保が１分48秒538を記録するも、こちらも９番手に。合算では８番手という順位となり、ライバルのスピードが際立つ予選結果となった。とはいえ、勝負は決勝レース。Ｃドライバー予選では山野が、Ｄドライバー予選では岩澤がきっちりと決勝を見据えた走行を行い、最後はＥ＋Ｆドライバーのフリー走行で近藤が周回。Porsche Team EBI はあくまで24 時間の戦いを見据えながら予選日を締めくくった。
決勝レース
曇天ながら２万6,400 人ものファンが訪れ、賑わいをみせるなか迎えた５月25日（土）午後３時からの決勝レース。EBI GROUP Cayman GT4 RS CS のスタートドライバーを務めたのは久保だ。序盤から各所で24時間レースとは思えないほどの激しいバトルが展開され、久保も順位争いを繰り広げることもあったが、まずは安定したペースでレースを進めていく。久保はいきなりダブルスティントをこなしていきながら、Ａドライバーハンディキャップを消化していく。一方でST-Z クラスの上位陣は２番手を走っていた#25 Z NISMO GT4 が他クラス車両に追突されるなど序盤からアクシデントが発生。サバイバルの様相を呈していった。そんな展開こそ、EBI GROUP Cayman GT4 RS CS が得意とするもの。久保はリヤタイヤの厳しい状況を感じながらも、スタートから２時間48分という長いドライブをこなすと、岩澤に交代。こちらは途中フルコースイエローなども挟み、３時間近いドライブで着々と順位を上げていく。岩澤はきっちりと仕事を果たし、近藤にバトンタッチ。すでにふたりのドライバーでスタートから６時間近くを走り切っており、レースは順調そのもの。ST-Z クラスのトップを走っていた#26 ZNISMO GT4、さらに２番手につけていた#21メルセデスが相次いでトラブルに見舞われ、EBI Group Cayman GT4 RS CS はさらにポジションアップ。近藤のスティント中には、ついにトップにまで浮上することになった。近藤のスティント終盤には、サーキットには少しずつ雨も降り出した。日付が変わろうかという午後11時45分ごろには再度久保が乗り込むが、ポルシェのトラクション性能を活かし、ウエットのなかスリックでの力走を披露した。しかし、ここまで最高のレース展開を続けていたPorsche Team EBI だが、山野に交代し深夜のスティントをこなす中、定められたメンテナンスタイムを行ったものの、午前４時過ぎ、ブレーキトラブルが起きてしまう。これで順位を落とし、その後北園と岩澤、さらに近藤で午前の走行を繋いだものの、再度北園が乗り込んだ午前11時過ぎ、ピットでナットがうまく締まらず、ファーストレーン上で再度作業をしてしまったためペナルティも課されてしまう。致命的なものはなかったが、少しずつの遅れが響き、最後は山野、久保と繋ぎ追い上げたものの、終わってみればEBI Group Cayman GT4 RS CSは５位で長いレースを終えることになった。同じポルシェの#19 Cayman GT4 が３位になったことから、地力のスピードは間違いなくあったことが証明された。ただ逆に、それが一層チームの悔しさに繋がった。この悔しさを次戦以降のレースの結果で取り返すべく、チームは一丸となって臨んでいく。
今後ともPorsche Team EBI へのご声援をよろしくお願いいたします。
チーム名：Porsche Team EBI
マシン名：EBI GROUP Cayman GT4 RS CS
ゼッケン：#22
ドライバー：北園 将太/久保 凛太郎/山野 直也/岩澤 優吾/近藤 翼