スーパー耐久シリーズ2023 開幕
第1 戦 鈴鹿サーキット

 

 

専有走行 3月17日(金)

 

2021 年に結成されたPorsche Team EBI WAIMARAMA にとって3シーズン目となる、2023 年のスーパー耐久シリーズの開幕戦がいよいよやってきた。今シーズンも開幕の舞台は、三重県の鈴鹿サーキット。Porsche Team EBI WAIMARAMA は、今シーズンのレギュレーション変更にあわせ体制を新たに構築。EBI GroupでPorsche Pro として活躍している北園将太をAドライバーとして起用し、2022 年から継続して参戦する千代勝正、山野直也、そしてKIZUNA というドライバーラインアップが敷かれた。ただ、今回の開幕戦ではKIZUNA が欠場。北園/千代/山野というラインアップで、木曜の特別スポーツ走行は走らず、3月17 日( 金)の専有走行から週末をスタートさせた。ただ、レースウイークを前に思わぬトラブルが。チームを率いる立場でもある山野はかつて、レース活動のなかで腰を疲労骨折していたが、ここ数年まったく問題はなかったものの、その痛みが再発してしまったのだ。この日の専有走行は午前に千代と北園がドライブし、午後の混走で山野がドライブ可能かを確認したが、運転中は支障がないものの、乗降時に痛みがあった。規定上決勝で1時間程度は走らざるを得ない。週末に向けチームは乗降の負担が少ないスタートドライバーに山野を据えることになった。一方で、2022 年最終戦で優勝を飾った実績をもつPorsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CS は非常に好調。午前は2番手につけ、セッティングも持ち込みから大きく変えることなく初日の専有走行を終えることになった。

 

 

フリー走行/公式予選 3月18日(土)

 

3月18 日( 土) の予選日は、朝から雨模様。午前のフリー走行はウエットコンディションのなか千代と北園とドライブ。午後2時からの予選に臨んだ。ただ、コース上がわずかに濡れていたことから、安全を期して当初のスケジュールから変更。Bドライバー予選から行われることになった。ここで千代は、今季激戦のST-Z クラスの中ながら、2分10秒379というコースレコードでST-Z クラスのトップタイムをマーク。Aドライバー予選の北園に期待をかけた。スーパー耐久での初予選に臨むことになった北園は、「やっと少しずつ慣れてきたところです」と予選に臨んだ。今回、北園の年齢から予選では序盤10分間アタックができなかったものの、2周目に2分14 秒512 を記録。合算で6番手につけ、山野もきっちりCドライバー予選を終えた。

 

 

決勝レース 3月19日(日)

 

迎えた3月19 日( 日) の決勝日。春らしい爽やかな晴天のもと、午前11 時45 分に5時間の決勝レースのスタートを迎えた。金曜に決めたとおり、スタートドライバーを務めたのは山野だ。この週末、チームスタッフの手厚いコンディショニングにより、山野は腰の痛みを感じさせないコンスタントなラップを続けていく。フィーリングも良くペースも悪いものではなかったが、ダウンフォースがあるせいかライバルに比べストレートスピードにやや苦戦。同じ718 Cayman GT4 RS Club sportを使う#19 ポルシェをなかなか抜くことができなかった。ただ、#19 ポルシェがコースアウトした際に、ようやくこれをオーバーテイク。その後、コース上でストップ車両が出たことでフルコースイエローが導入されるが、この解除後にピットイン。千代に交代する。ただその後、ストップ車両からオイルが出ていたこともあり、レースはセーフティカーランに。本来狙うべきはこのタイミングで、機会を逃さなかったライバルたちに離されてしまった。千代はその後も好ペースで走行を続けていったが、やはり遅れが大きく69周まで走行を続けていったものの、大きなポジション奪回には至らない。北園に交代した後も、スタートから3時間30分が近づこうかという際にストップ車両が出たことで導入されたセーフティカーの時、北園はAドライバーに求められる規定走行時間を満たしておらず、ドライバー交代をすることができないなど、戦略が噛み合わないままレースを進めることになってしまった。

 

そんななか、レースは終盤戦に突入していく。ようやく北園が走らなければならない75分のスティントを終え、ピットインしようかと思っていた矢先、ST-5 クラスのトップ争いが盛り上がりをみせていた。しかし、130R 立ち上がりでトップ争いの2台が接触。姿勢を乱した車両がガードレールに激しくヒットしてしまった。レースはそのアクシデントの後、すぐにフルコースイエローが導入され、ドライバー救出、ガードレール補修のために赤旗中断となってしまった。このアクシデントで、サーキット中で最も心配した表情を浮かべたのは山野。クラッシュしたのは、山野の実兄である山野哲也選手だったからだ。レースはそのまま赤旗終了となったが、山野は兄に付き添い、鈴鹿市内の病院に直行した。幸い骨折等はあったものの、山野哲也選手の生命に別状はなく、山野はホッと胸をなで下ろした。Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CS の結果は6位。金曜の時点のフィーリングからすれば、表彰台、優勝は十分可能だったために、チームにとってはやや悔しい結果となった。しかし、チームが絶対に勝ちを狙いたい第2戦富士SUPER TEC 24 時間レースに向けては、手ごたえを得て開幕戦を終えることになった。

 

今後ともPorsche Team EBI WAIMARAMAへのご声援をよろしくお願いいたします。

 

 

チーム名:Porsche Team EBI WAIMARAMA

マシン名:EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CS

ゼッケン:#22

ドライバー:山野直也 /千代勝正/北園将太