スーパー耐久シリーズ2024
第3戦 スーパー耐久 in オートポリス

 

 

 

STMO専有走行

2024年のスーパー耐久シリーズは、5月に行われた第2戦富士SUPER TEC 24時間レースから約2ヶ月のインターバルを経て、第3戦を迎えた。舞台は大分県日田市のオートポリス。阿蘇の山間にあるコースで、タイヤに非常に厳しい特性をもつ。そんな第3戦のレースウイークは、7月25日(木)にスタートした。気温30 度を超える7月の暑さのなか、Porsche Team EBI は午後1時からスタートした特別スポーツ走行1回目には参加せず、午後3時30分から行われた特別スポーツ走行2回目から週末に向けた作業をスタートさせた。ただ、初日にドライブしたのは久保凜太郎のみで、まずは感触の良さを確認。他3人のドライバーは走行2日目となった7月26日(金)の専有走行1回目から合流した。やや涼しさが感じられる午前10 時からの1回目では、まずは久保からドライブ。北園将太、岩澤優吾と交代していく。午後1時45分からの全クラス混走の専有走行回目を前にサーキットには強い雨が降ったが、走行開始直前に雨は止み、山野直也から4人が交代しながらドライブ。週末に向け準備を進めていった。午前は2分00秒059というベストタイムで6番手、午後は1分59秒325で5番手という順位だが、今回もやはりライバルにスピードがありそうだった。また、実は北園はオートポリスに訪れたこと自体が初めて。多めに周回を重ねていたものの、サーキットの習熟を進めるべく、専有走行後もコースウォークに臨むなど、予選に向けて急ピッチで準備を進めていった。

 

公式予選

気温30 度を超える酷暑のなか迎えた7月27日(土)の予選日。午前フリー走行に続き、午後1時15 分からの公式予選に臨んだ。まずAドライバー予選に出走したのは北園。前日から必死にオートポリスへの習熟を進めていった成果もあり、2分00 秒160というタイムを記録したが、僅差の8番手。5〜6番手まではあとわずかだっただけに悔しいところ。続くBドライバー予選では、久保が1分57秒208を記録するも、6番手という結果に。合算では7番手につけることになった。Cドライバー予選では山野が、Dドライバー予選では岩澤がきっちりと走行を終えたが、ライバルたちが速い。今回の性能調整は自然吸気エンジンにとって良い方向になっているはずだが、それを上回るスピード差が感じられる結果となった。

 

決勝レース

爽やかな風が吹いてはいたものの、気温30度前後の暑さのなか迎えた7月28日(日)の決勝日。午前11時からのレースに向け、スタートドライバーを務めたのは北園だ。今回、チームとして今後の作戦の幅を広げるべく、北園に初めてのスタートを任せることになった。2日間の走行で、他のドライバーも北園に走行時間を分けるなど、少しずつオートポリスにも慣れていった北園は、ここまで作り上げてきたセットアップの良さも活かし、スタートの大役をしっかり務め7番手でレースを進めていく。そんな北園の前方では、プロドライバーたちによるST-Zクラスの激しい上位争いが展開されていたが、ちょうど開始から1時間が過ぎたタイミングで、2番手を争っていた#52 GR Supra GT4と#20 Z NISMO GT4が1コーナーの進入で激しくクラッシュ。レースは20分間ほどのセーフティカーランとなった。今回北園をスタートドライバーに据えていたことで、セーフティカーランの時間が長くなればA ドライバーに定められた義務走行時間を消化することができるが、逆にA ドライバーハンディキャップのピットストップがセーフティカーラン時には行えない。チームにとってはハンディキャップのピットをこなせない分、わずかにマイナスになってしまった。とはいえ、セーフティカーラン時にピット作業が行えないわけではない。チームはまず北園を一度呼び戻し、給油のみを行った。ただ、このタイミングが悪く、セーフティカーが通過。1周のビハインドを負ってしまう。とはいえ、悲観してばかりもいられない。セーフティカーランが明けた後、北園は再度ピットインし岩澤にステアリングを託した。岩澤は第2 スティントで着実にレースを進めていく。フィーリングは悪くなく、岩澤もスーパー耐久での戦い方に慣れ、快調にラップを重ねていくが、ライバルのスピードの前になかなかギャップを縮めることができなかった。岩澤は81 周まで周回を重ねると、ピットインし山野に交代。「この車両で戦いはじめてから三本の指に入る」好感触を得て山野もラップを重ねていくが、この頃には上位陣のギャップが広がっており、なかなかポジションは上がっていかなかった。111周にはふたたびピットに戻ると、チームはアンカーを久保に託した。コース上にはタイヤカスが多く出て難しいコンディションとなっていた終盤戦だったが、久保は最後まで集中を切らさず、140周を走り切りフィニッシュ。7位という結果を残した。ライバルたちの速さの前に、表彰台争いとはいかなかったが、上位争いが可能になる手ごたえを得た一戦となった。次戦は得意なもてぎ。優勝争いを目指すべく、準備を進めていく。

 

 

チーム名:Porsche Team EBI

マシン名:EBI GROUP Cayman GT4 RS CS

ゼッケン:#22

ドライバー:北園 将太/久保 凛太郎/山野 直也/岩澤 優吾