第2戦鈴鹿、第3戦 富士24時間と、新車投入後は2戦連続で表彰台を獲得し、ランキングでも5位に浮上しPorsche Team EBI。さらなる上位を目指すべく迎えた第4戦の舞台は、宮城県のスポーツランドSUGO だ。EBI GROUP Cayman GT4 RS CS は、今回ふたたび北園将太、久保凜太郎、平安山良馬の3人のラインアップに戻り、7月3日(木)のスポーツ走行2回目から週末に向けたセットアップをスタートさせた。初日は久保がステアリングを握り、7月4日(金)の専有走行1回目では久保から北園、平安山と交代し、最後はふたたび北園がドライブ。2回目は北園と久保がドライブしたが、開始から30分を過ぎたあたりで雨が降り出してしまい、雨脚は一気に強まると雷雨に。赤旗も出たことから、消化不良のなか専有走行2回目を終えることになった。1日半の走行を終え、専有走行1回目は1分29秒226というベストタイムでクラス8番手。2回目は1分27秒420というベストタイムで2番手につけたものの、性能調整が厳しい。重量、車高ともに調整が厳しく、国産のGT4車両に対して明らかにスピードがない状況だった。「今回は4時間レースで、作戦も自由度がないのでなかなか厳しいですね」と久保は専有走行を振り返り、厳しい状況を語った。とはいえ、厳しさばかりをアピールしていても始まらない。Porsche Team EBI は、グループ1の予選・決勝レースが行われる7月6日(日)に向け、走行がなかった7月5日(土)を活かし調整を進めていった。
今回の第4戦は特殊な形式で、7月5日(土)はPorsche Team EBI が出走するグループ1の走行はなく、7月6日(日)に公式予選が行われるスタイル。また予選はQ1とQ2に分かれるノックアウト形式で争われた。予選開始直前の走行会でオイルが出たことから、処理のため25分遅れで始まったQ1に出走したのは久保。専有走行から性能調整に泣かされてきたが、それでも1分27秒872を記録し5番手につけ、Q2進出を果たす。続くQ2では、北園がアタックを担当し1分29秒143を記録。苦境の中ながら、4番手という位置につけてみせた。C/Dドライバー予選では平安山が決勝レースを見据えつつ走行。8周を走り、1分29秒404というベストタイムを記録。公式予選を締めくくることになった。
公式予選の後、約2時間半のインターバルで迎えた決勝レース。曇天ながら気温30度を超える暑さのなか、午後0時35分に決勝レースの火ぶたが切って落とされた。EBI GROUP Cayman GT4 RS CSのスタートドライバーを務めたのは久保だ。序盤、国産車のトップ3が逃げていく一方で、久保は4番手集団の先頭で戦っていく。集団のなかでバトルもあったが、いかんせんペースが苦しい。#20 Z NISMO GT4に先行を許すと、さらに#21メルセデスも久保の背後に迫るなど防戦一方となってしまった。そんななか、バトルのなかで久保はパンクチャーに見舞われてしまい、21周を終えて緊急ピットイン。久保は最終コーナーでチームに無線でリクエストを飛ばしたことから、チームも準備ができていない状況での作業となり時間を要し、上位とは大きな差が開いてしまった。さらに悪いことは重なり、この緊急ピットインの際に、チームクルーが装備を十分につけていない状況での作業を強いられていたことから、ピット作業違反のペナルティを課されることに。これでさらに上位とは差が開いてしまった。とはいえ、最後まであきらめることなく走り切ることができれば、少なからずポイントを得ることができる。久保は厳しいファーストスティントを戦い抜き70周まで周回を重ねるとピットイン。平安山にステアリングを託した。他のST-Z車両にもトラブルが起きている状況で、まだ順位の挽回は不可能ではない。平安山は着実に周回を重ねていくことになった。セーフティカーやフルコースイエローを使えばまだ挽回のチャンスはあるが、結果的にこのレースでは2回のフルコースイエローが出たのみ。EBI GROUP Cayman GT4 RS CSのペースも、上位陣に比べればやはり苦しい。そんな戦いのなか自身の40周のスティントをこなした平安山はピットにクルマを戻し、最終スティントを北園に託した。この週末、着実なドライビングを続けていた北園は、淡々と最終スティントをこなしていき、最後は43周を走行しチェッカーを受けることになった。結果としてEBI GROUP Cayman GT4RS CSの順位は7位となった。貴重なポイントこそ得ることはできたが、トップとの差は開く一方。ペナルティやパンクチャーによるピットインがなくとも、表彰台を争うには厳しい状況にあった。ふたたびトップを争う状況に戻るためには、性能調整の緩和を願うしかない。少なくとも国産車と対等に争えるパフォーマンスが欲しい。Porsche Team EBIにとって、第4戦はフラストレーションが溜まる一戦となった。ST-Zクラスの次戦は第6戦岡山だ。
今後ともPorsche Team EBI へのご声援をよろしくお願いいたします。
チーム名:Porsche Team EBI
マシン名:EBI GROUP Cayman GT4 RS CS
ゼッケン:#22
ドライバー:北園 将太/久保 凛太郎/平安山 良馬