スーパー耐久シリーズ2025
第7戦 S耐 FINAL 富士

 

スポーツ走行/STMO 専有走行

 

第6戦岡山では、短い3時間レースのなかで終盤トラブルに見舞われたものの、展開を読み上位を争う戦いをみせたPorsche Team EBI。今シーズンはなかなか思うような結果を残すことができていなかったが、シリーズは最終戦。Porsche Team EBI は数々の思い出が残っている富士スピードウェイで、シーズンを良いかたちで終えるべく臨んだ。そんな第7戦は北園将太、久保凜太郎、平安山良馬の3人に加え、山野直也もチームに復帰。4人のラインアップで臨むことになった。レースウイークは11月13日(木)のスポーツ走行からスタートし、まずは週末に向けたセットアップ等を進めていった。明けて11月14日(金)は2回の専有走行が行われたが、EBI GROUP Cayman GT4 RS CS は午前の1回目は1分48秒613というベストタイムで5番手に。午後の2回目は1分48秒092で8番手という結果となった。久保はこの週末の戦力図について「すごく僅差なんですよね」とスピード面で不足があるわけではないと語った。今回は性能調整で車高が下げられており、コーナリングでは優位ではある。「この車高なら良い位置にいかなければならない」と語るように、パフォーマンスを上げれば上位進出の可能性があることを感じさせた。とはいえ、逆に僅差であることはわずかなスピードの不足やミスが順位に直結してくる。Porsche Team EBI は、決勝レースの戦略も見すえつつ、専有走行で得られたものをしっかりと活かすべく公式予選に向けて準備を進めた。</

 

公式予選

 

明けて11月15日(土)は、午後1時から晴天のもと公式予選がスタートした。Aドライバー予選に出走した北園は3周目、1分47秒612を記録し、第3戦富士に続くトップタイムを記録してみせた。さらに、続くBドライバー予選でも久保が1分46秒519を記録。EBI GROUP Cayman GT4 RS CS は今季最終戦で見事ポールポジションを獲得してみせた。「ポールは嬉しいです。明日もゲストの皆さんがたくさん来られるので、いちばん前からスタートできるのは良かったですね」と北園は笑顔をみせた。Cドライバー予選では平安山が1分48秒333を、Dドライバー予選ではひさびさの予選となった山野が1分48 秒619を記録。きっちりと予選を締めくくった。

 

決勝レース

 

ポールポジションから迎えることになった今季最終戦の決勝レース。この週末の富士スピードウェイは2日間計4万400人ものファンが訪れ、晴天のもと迎えた11月16日(日) 午後1時からの決勝で、スタートを務めたのは平安山だ。平安山はスタートをしっかりと決めトップを守りオープニングラップに入っていたが、アドバンコーナーでまさかのアクシデントが起きた。2番手スタートだった#26 Z NISMO GT4がEBI GROUP Cayman GT4 RS CS にヒット。平安山はスピンを喫し、この影響で10番手までポジションを落とすことになってしまった。結果的に、#26 Z NISMO GT4 にはドライブ スルーペナルティが課されることになったが、ポールポジションスタートのメリットが失われてしまった。さらにEBI GROUP Cayman GT4 RS CSは左リヤにわずかにダメージを負い、バランスが崩れてしまった。ただ、平安山はそのダメージを感じさせない好ペースで追い上げをみせると、3番手までポジションを戻し45周を終えピットへ。山野に交代した。ひさびさのレースとなった山野だが、10周をこなしすぐにピットに戻る。決してトラブルがあったわけではない。今回、ストラテジストも兼ねる久保が考えたのは、山野がニュータイヤで10周を走りタイヤを温めつつプッシュし、Aドライバーである北園がスティント序盤から好ペースで走ることができるという作戦だ。この作戦が功を奏し、交代した北園は好ペースでレースを進めた。第6戦岡山ではピットストップ時にタイムロスを喫していたこともあり、チームはピットもしっかりと行いドライバーたちの頑張りを支えていた。北園は安定したパフォーマンスでAドライバーに課せられる1時間のスティントをこなしていった。そんな展開のなか、トップを走っていた#52 GR Supra がピットロード出口でストップしてしまう。これで北園から久保に交代し、タイヤ無交換作戦を敢行したEBI GROUP Cayman GT4 RSは2位に浮上。トップを走る#34 アウディは26秒ほどのリードを保っていたが、少しずつ周囲が暗くなり、ライトオンの指示が出るなか、久保はプッシュを続けていった。午後5時15分、レースはチェッカーを迎えた。最後までプッシュを続けた久保だが、30.456秒届かずEBI GROUP Cayman GT4 RS CSの最終戦は2位という結果となった。速さはあった。作戦も絶妙なものだった。レースにタラレバは禁物だが、1周目のポジションダウンがなければ勝てた可能性もあった。とはいえ、今季最終戦でPorsche Team EBIはしっかりとそのチーム力と、EBI GROUP Cayman GT4 RS CSの実力をみせつけシーズンを締めくくることになった。

 

 

EBI GROUPでは、今後もモータースポーツ活動に力を入れて参ります。

応援いただいた皆様誠にありがとうございました。

 

 

チーム名:Porsche Team EBI

マシン名:EBI GROUP Cayman GT4 RS CS

ゼッケン:#22

ドライバー:北園 将太/久保 凜太郎/平安山 良馬/山野 直也